権現岳に咲いていた花 [一休み]
撮影順(場所の標高の順)とは一致しません.また,花の名前が間違っているかもしれませんが,悪しからず.気付いた方はお教えいただけると幸いです.
キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環,Aquilegia buergeriana Siebold et Zucc f.flavida,キンポウゲ科オダマキ属)
青紫色のミヤマオダマキよりも,個人的にはこの花の色の方が好きです.
コオニユリ?
青年小屋のすぐわきに咲いていました.
ハクサンボウフウ?(白山防風,Peucedanum multivitalum,セリ科カワラボウフウ属)
これも青年小屋のすぐわきに咲いていたもの.セリ科の植物は日本に約75種類あるそうで,素人の私にはみな同じに見えてしまいます.これも間違っている可能性大です.花よりも葉の形や果実の形の方が見分けやすいとのこと.今度からは葉も観察するようにしようと思います.
アカショウマ?
ゴゼンタチバナ(御前橘,Chamaepericlymenum canadence,ミズキ科ゴゼンタチバナ属)
あちこちでみかけます.和名の御前は白山の御前岳に由来するとのこと.タチバナはミカン科ミカン属で,全く違いますが,一見似ているということで(ミカンとはかなり違いますが…),その名の由来があるとのことです.
コバノコゴメグサ(小葉の小米草,Euphrasia matsumurae,ゴマノハグサ科コゴメグサ属)
これは近接して撮った写真なので大きく見えますが,一つ一つはとても小さな花で,遠くから見ると,確かに米粒をばらまいたように見えます.本を調べると珍しくはない定番の高山の花のようですが,自分は今回の山行でまじまじと見てもっとも感動した花です.
タカネスギカズラ(高嶺杉蔓,Lycopodium var. acrifolium,ヒゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)
シダ類です.ただのスギカズラやエゾヒカゲノカズラとどう違うのか,正直のところよくわかりません.
タカネナデシコ(高嶺撫子,Dianthus superbus var speciosus,ナデシコ科ナデシコ属)
2回目の8月下旬に登った時に見つけました.
タカネニガナ(高嶺苦菜,Ixeris alpicola,キク科ニガナ属)
折ると苦い液(毒)が出てるとのこと.そんなことはどうでもよくて,個人的には黄色の花が好きであり,特にタカネニガナは気に入っています.
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草,Thymus quinquecostatus,シソ科イブキジャコウソウ属)
滋賀県の伊吹山に多くみられるためにこの名があるそうですが,あちこちでみかけます.麝香とは中央アジアに生息する鹿の内臓から取れる香料.この葉を揉んでみると,香水というより薬草のにおいがしました.
イワオウギ(岩黄耆,Hedysarum vicioides ssp. japonimsum,マメ科イワオウギ属)
いかにもマメ科です.もう,少しはなが終わりかけています.
イワオトギリ(岩弟切,Hypericum var. hondoense,オトギリソウ科オトギリソウ属)
弟切の名の怖い由来は別項に記載しました.
ホタルブクロ(蛍袋,Campanula punctata,キキョウ科ホタルブクロ属)
カラマツに絡まっていました.ホタルブクロとヤマホタルブクロの違いはよくわかりません.
ホタルブクロ
近くでじろじろ見られたので,冷や汗をかいているようにみえました.
マルバダケブキ(丸葉岳蕗,Lingularia dentata,キク科メタカラコウ属)
平地の蕗はフキ科フキ属で全く違う仲間です.葉が丸くて一見フキに似ているというだけです.三ツ頭からの下山路に沢山咲いていました.このほかにも,オタカラコウかキオンかキリンソウかキンコウカかよくわからない黄色の花があって写真に撮ってあるのですが,出すのをやめておきます.
◎◎シャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)?
キキョウ科の植物もセリ科と並んで素人の私には苦手で,区別がよく付きません.もう少し勉強しようと思います.
ミヤママンネングサ(深山万年草,Sedum japonicum var. senanense,ベンケイソウ科マンネングサ属)
名称は冴えませんが,花も肉厚の葉もなかなか可愛く存在感もあります.
ヤマハハコ(山母子,Anaphalis margaritacea,キク科ヤマハハコ属)
ところで,margaritaceaは真珠状の意味だそうで,総苞片を真珠にたとえたとのこと.ところで,テキーラをベースとしたカクテルにマルガリータがありますが,マルガリータは真珠を意味するギリシャ語で,真珠のように美しいというたとえとして,ヨーロッパでは女性名として使われるとのこと.カクテルのマルガリータは,バーテンダーの彼女で塩をなめながら飲むのが好きだったた人の名がマルガリータだっために,名付けたとのことです.すみません.話がそれました.
ヤマハハコ
イワツメクサ(岩爪草,Stellaria nipponica,ナデシコ科ハコベ属)
後ろの葉は別の植物です.イワツメクサの葉は左下にわずかに見える細いものです.
トウヤクリンドウ(当薬竜胆,Gentiana algida,リンドウ科リンドウ属)
8月下旬に2回目に登った時に咲いていたので撮影しました.夏の終わりから秋の花です.リンドウが竜の胆と書くとはなんともイメージがずれます.当薬はセンブリの乾燥したものの意味で,このトウヤクリンドウの根は非常に苦いが,胃腸の妙薬になるとのこと.
バイケイソウ(梅蕙草,Veratrum grandiflorus,ユリ科シュロウソウ属)
梅の花に似ているから「梅」だそうです.今度近づいて観察してみることにします
コウメバチソウ(小梅鉢草,Pamassia palustris var tenuis,ユキノシタ科ウメバチソウ属)
家紋の梅鉢形に似ているからこの名があるとのこと.
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草,Scabiosa japonica var alpina,マツムシソウ科マツムシソウ属)
マツムシソウとタカネマツムシソウの違いもよくわかりません.これはどちらでしょうか.とにかく好きな山の花の一つです.
ハリブキ(針蕗,Oplopanax japonicus,ウコギ科ハリブキ属)
花は終わっていて,棘のある葉だけでした.なぜ棘が必要なのでしょうか.なんだか陰険にみえてしまいます.
フシグロセンノウ(節黑仙翁,Lychnis miqueliana,ナデシコ科センノウ属)
山行のエピローグとして八ヶ岳横断歩道を歩いていたときに道端で見つけました.
シモツケソウ(下野草,Filipendula multijuga,バラ科)
登山基地の観音平の駐車場わきに咲いていました.
平地よりもずっと厳しい環境の中で、これだけ色も形も多彩な植物が育っていることに感動しました。可憐な山野草との出会いも、頑張って山に登った人にしか味わえない楽しみの1つなのですね。
もっとも私の場合、山は登るものではなく、下から仰ぎ見るものですので、先生の撮られた写真で堪能させていただきました。
by yumi (2013-10-03 00:25)
yumiさん,見ていただき,有難うございます.一度に沢山の写真を公開するより,小数に絞った方が見る人にとっては印象が強く残っていいようにも思うのですが,ついつい欲張りで,というよりなかなか割愛できなくて….山の花の季節はもう終わり,これから紅葉の季節,そして雪におおわれる季節に移ります.そしてまた来年….
by 猿 (2013-10-03 23:47)