飯盛山の夏の花 [一休み]
梅雨明け直前で,天候不安定という予報のもと,急な雷雨の襲来にハラハラしながら,平沢峠から往復してきました.
6月に飯盛山にきたときはレンゲツツジが主役でしたが,
シモツケ(Spiraea japonicus,バラ科シモツケ属)
7月中旬のこのとき,最も目立って美しかったのはこの花でした.つぼみから,最盛期の花,枯れかかった花まで混在しています.花の色は次の次のシモツケソウに似ていますが,こちらは落葉低木で,花の形は仲間のコデマリに似ています.白い花の咲くマルバシモツケと同じ仲間のようです.
シモツケ
シモツケソウ(下野草,Filiopendula multijuga,バラ科シモツケソウ属)
最初に示した木のシモツケとは,種類も,花や葉の形も異なります.飯盛山ではシモツケソウはシモツケより圧倒的に少ないようです.シモツケソウは草本で,下野(栃木県)でよく見られるために名づけられたそうです.これに対して,落葉低木のシモツケは,やはり「下野」という説と,霜が降りたように見えるため「霜付け」という説の2つがあるそうです.
ニッコウキスゲ(日光黄菅,H. dumortieri var. esculenta,ユリ科キスゲ属)
目立つ花ですが,ここでは群生しているわけではなく,ところどころに咲いているという状態でした.以前,車山でニッコウキスゲの群落をみたとき,遠目にはよかったのですが,まじかで見たら,アブラムシのような小さな虫が無数にたかっていて,かなり興ざめだった記憶があります.ここでは虫はついていなくて,花の色には一点の濁りもありませんでした.
ただ,このニッコウキスゲは1日で花が終わってしまうそうなので,きれいに咲いている花の近くには,たいてい咲き終わって枯れた花があります.
ミヤマウツボグサ(深山靫草,Prunella vulgaris var. aleutica,シソ科ウツボグサ属)
鮮やかな色です.小さな花で,これもわずかに見られた程度でしたが,なかなか存在感があります.
ヤマブキショウマ(山吹升麻,Aruncus dioicus var. kamtschaticus,バラ科ヤマブキショウマ属)
おなじみの花の付き方の面白い花です.
イブキトラノオ(伊吹虎の尾,Polygonum bistorta ssp.japonicum,タデ科イブキトラノオ属)
これは結構たくさん咲いていました.
イブキトラノオ(伊吹虎の尾,Polygonum bistorta ssp.japonicum,タデ科イブキトラノオ属)
ハクサンフウロ(白山風路,Geranium yesoense var.nipponicum,フウロソウ科フウロソウ属)
フウロもごく少数見つけました.
ノアザミ(キク科アザミ属)
アザミの種類は五万とあるようで,素人の自分には区別がつきませんが,ノアザミとしておきます.豹紋のある蝶が無心に蜜を吸っていました.
平沢峠の登り口に,まずはじめにマツムシソウが1輪咲いているのをみつけたので,山中にはさぞたくさんマツムシソウがあるのだろうと思っていたら,結局マツムシソウはその1輪だけでした.
全体として花の種類や量は少ない印象がありましたが,押しつけがましくなく,むしろ見つける楽しみがありました.
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